- 特殊鋼鋼材 製造業
- 愛知県
廃棄物管理体制構築を目的としたコンサルティング
課題は『組織としてどのように根付かせるか』
エリア | 愛知県 |
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業種 | 特殊鋼鋼材 製造業 |
会社名 | 大同特殊鋼株式会社 |
(左:前野篤史氏 右:仲春喜氏)
こう語るのは、大同特殊鋼株式会社の本社環境監査室長の前野篤史氏。 廃棄物管理体制構築を目的としたコンサルティングが発足してから1年がたった今、大同特殊鋼グループとしてどういう課題を持ち、どのように解決をしていったのかお話を伺いました。
提供サービス
管理体制構築コンサルティング
(株)大同キャスティングス様と同時に下記提案を行いました。
- 廃棄物一元管理システム『GENESYS-ECO』の導入
- 法解釈の相談窓口&共有化サービス『環境ナレッジ・デスク』の活用
- 実務と知識を社内浸透させるため定期研修の開催
今後も継続的に、ISOを含む環境管理コンサルティングを行っていく。
産廃に対するリスクが工場側の部分的な対応になっていた。
大同さんはグループとしてどのような課題があり、どういった部分で変化していかければいけないと思われたのでしょうか。
「我々は鉄鋼メーカーということから、元々環境負荷が高いと考えています。そのため産業廃棄物に関しても切っても切れない業種だと思っています。その中で、産廃に対するリスクが非常に工場側の部分的な対応になっていた所がありました。産廃を中心に考えて仕事をするということは、なかなかできないことでもあります。それこそ生産が中心となりますからね。そこで、第3者的に、どんな問題点があるのか?と言うところを評価しなければいけないと思い至りました。」
そこで、一度自社でも弊社でも調査を行われたという経緯だったのですね。
「まず自社で業者選定基準、委託契約、マニフェスト、置場管理、色々をチェックしました。そこで更に、イーバリューさんにもいくつかの拠点の調査をお願いしました。このように廃棄物の管理状況についての詳細を調査した結果、やるべきことがより明確になりました。
その中で、社内的な状況も踏まえながら会社としてやっていかなければならないこととは、『まず産廃に対する正しい認識とリスク管理であり会社としての基準、そういった部分に関する意識づけ』だと感じたのです。どうしてもマニュアルでやれる世界には、非常に限定的な部分がありますからね。」
そこでまず考えたのがシステムの導入だったのですね。
「正直に言えば、システムを変えるということは心配なことでした。本当に上手くいくのか?改善できるのか?というものです。しかし現実には改善しなければならない課題が多くあり、そのような状況の中、もう一人の担当者にはすぐにやるべきだと言われたのです。それに背中を押された形となりました。
あとはイーバリューさんのプレゼンや、前後のフォロー等も含めて、やってみようと思うことが出来ました。」
大きな不安を感じられながらの決断だったわけですね。
「実際にやってみると、非常に良かったと思っています。導入した当初は新しいシステムですから、今までにやっていた仕事から離れて、データの登録や新しいシステムへの切り替えには色々とハードルはありました。それでもコンプライアンスの逸脱できないシステムでしたからその部分に魅力を感じて、導入を進めていきました。
後日社内監査を行った際に、各工場の担当者からシステムの話を聞いてみると、システムを導入したことによって実務担当者の業務が非常に効率化でき満足していると聞いて安心しましたし、導入して非常に良かったと思っています。」
システムでコンプライアンスと効率化の両立のお手伝いをすることが出来たこと大変嬉しく思います。その上で、前野さんからは次の課題として「意識づけ」とご相談をいただきました。
「意識づけという点では、まだ満足しているわけではありません。というのも、人は代わっていくものですし、作っていくものも変化をしていく、そういった中だからこそ、しっかりとした教育や新しい取り組みを行っていかなければならないと感じています。
そこで、イーバリューさんへは工場への研修や講演をお願いしました。例えば有価なのか産廃なのか?と判断に迷う場合に、器(廃棄物の一元管理システム)に入れていいものなのかそうではないものなのかを判断出来るようになるということです。
器(廃棄物の一元管理システム)が出来たからこそ、その器に入れるのかそうでないのかの判断をするということに関して、当然社内での教育等の取り組みも大事になりますし、第三者的にイーバリューさんに力を貸していただくこと、そこを頼りにしています。」
有価物かどうかの判断は、システムだけではどうしてもカバーしきれないところになりますね。そこではどうしても法知識やリスクマネジメントの考え方が必要になってきます。
「企業だからこそ、もしかすると来月から担当を外れるということもゼロではないわけです。そういった中で組織としてどのように根付かせるか、ということが大事だと考えています。
先ほどもお伝えしましたように、有価物かどうかという判断をしていかなければなりません。その先手を打つ意味で行くとナレッジ・デスク(弊社がご提案した法令サポートサービス名)ですね。ナレッジ・デスクで対応してくれる佐藤(弊社ナレッジコンサルタント)さんには非常に助かっています。」
弊社に寄せられる様々な質問の内容からも、今まで当たり前に行ってきたことを改めて一人ひとりが再確認されようとしていることがわかります。
「今までの当たり前も含め、しっかりと第3者の目で見てもらいたいという気持ちがありました。」
今回コンサルティングが発足して一年、弊社から是非とお願いをし、快くインタビューのお時間をいただくことができました。その中で前野さんが今後のコンサルティングに期待することはありますか?
「人や、我々組織が変わっていく中で、イーバリューさんとしての大同に対する関わり方を今のまま変わらずにいてもらいたいというところです。
しっかりと第3者の目で見てもらいたい。その意味からすると、僕は今までの仕事の中でも色々なコンサルと付き合いがありましたが、悪いことは悪いと言わないコンサルは絶対に使いません。それが僕の主義です。イーバリューさんにはそうあってもらいたいと考えています。我々はイーバリューさんに最後の歯止めになることを期待していますので、これからもよろしくお願いします。」
前野さん、本インタビューにご協力くださいまして、誠にありがとうございました。
長時間に渡るインタビューとなりましたが、熱い想いでインタビューにお答えくださる前野さんが印象的でした。 さて、今回コンサルティングが発足して一年、今こうして記事にすることが叶ったわけですが、ここには書ききれないたくさんの想いを真摯に受け止めながら、弊社では引き続き、固まったサービスではない、問題解決のソリューションをご提供できるよう努めて参ります。