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分析値が定まらない廃棄物、普通産廃では危険!?
自社から排出される廃棄物の中に、分析や排出のたびにpH値や有害物質の溶出値が異なるものはありませんか?実はその廃棄物を普通産廃として扱っていると、廃掃法違反になる可能性が高いのです。
目次
pH値・溶出値が定まらないものは特管としての取扱いを
pH値や有害物質の溶出値が判定基準を挟んで前後し、特別管理産業廃棄物(特管産廃)なのか、普通の産業廃棄物(普通産廃)なのか迷うものはありませんか?このような廃棄物はどのように排出すればよいのでしょうか?
例えば、以下のような廃棄物です。
- 廃アルカリ・廃酸:
排出のたびにpH数値が変わり、基準値を超えたり超えなかったり・・・。 - 汚泥:
去年の分析は基準未満だったのに、今年は判定基準を超える六価クロムが検出・・・。 - ばいじん:
判定基準を上回るカドミウムが検出される年がある・・・。
pH値の場合:都度計測を行い、適切な区分での委託を
液体のpH値の計測は専用の機器を使用して、比較的簡単に行うことが出来ます。排出の際に、pHの値を計測し、その値に応じて適切な区分での委託を行ってください。そのため、普通産廃処理の許可と特管産廃の許可、両方の許可をもつ業者への委託が望ましいです。
有害物質の場合:特管産廃としての委託を
汚泥やばいじんに含まれる有害物質の溶出値に関しては、pH値のようなその場での分析は、期間・予算の面で難しいものがあります。そのため、判定基準を上回る可能性のある廃棄物は、全量を特管産廃として委託することをおすすめします。
▶ 自治体へのヒアリング
弊社で行った行政へのヒアリングの結果でも、以下のような見解を得ています。
■山口県庁 環境生活部廃棄物・リサイクル対策課(廃液)
排出の度に分析を行い、その溶出値に応じて、普通産廃か特管産廃かを区別し、委託すること
■福岡県庁 廃棄物対策課(汚泥)
都度の分析が難しい廃棄物については、全量を特管産廃としての委託をすること
分析数値に振れ幅があり、特管になる事があり得る場合は、普通産廃で排出することは厳禁
上記は、全ての行政に共通するという保証はありませんが、同様の見解の自治体も多いのではないでしょうか?
※こちらの見解は、弊社聞き取り時における各自治体担当者の見解となります。法解釈においては、時期や対応する担当者によって異なることがありますので、都度、管轄する自治体にご確認下さい。
普通産廃として委託するリスク・・・
普通産廃として委託することにどのようなリスクがあるのか、具体的に解説していきます。 溶出値が0.25~0.35mg/Lのカドミウム含有廃棄物○○の処理について、2社に見積をとったところ次のような結果になりました。
あなたならどちらの業者へ委託しますか?
事例:処理業者の爆発事故で排出事業者が書類送検
2015年1月9日付け 朝日新聞:「千葉の工場爆発、5人書類送検へ 業務上過失致死傷容疑」
●死者2名、重軽傷20名
●設備がないにもかかわらず、引火性廃油の処理を行っていたことが原因
●排出事業者である油類運送会社は、引き渡す際に、必要な手順をとらなかったとして
廃棄物処理法違反容疑で書類送検
このように有害物質の判定基準やpHの基準値を上回る可能性がある廃棄物を、全て普通産廃として委託すると、特管産廃が普通産廃として処理される可能性があります。すると、排出事業者責任を問われるリスクが常について回ることになるのです。
ポイント:有害物質の溶出値の定まらない場合は、特管産廃としての委託を!
pHはその都度計測し、適切な委託を!
リスク回避!あなたが取るべき行動は?
では、次に取るべき行動はどのようなものでしょうか?
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Kayo Toyama 環境コンサルティング事業部 マネージャー
在学中は文学部言語表現学科に所属し、文章表現、会話表現から古典文学まで幅広く学ぶ。 現在は、“お客様の抱えている問題を解決するお手伝い”をしたい!という考えのもと、大学時代に学んだ文章表現のノウハウを生かし、自社サイトや資料等を使ったお客様への情報発信を担当。