- 委託契約書
積替保管の運搬契約…一冊にまとめて大丈夫?
産業廃棄物の収集運搬には、積替保管を行うものがありますね。「積替保管の契約を一冊にまとめてもいいの?」という疑問は、
今までに何度か頂いていました。
今回は、積替保管の契約書について、考えていきましょう。
三者契約だからNG?
積替保管の契約は、複数の運搬会社が積替保管施設を挟んでリレーするようなイメージです。
廃水銀の処理等、処理できる施設が限られている場合によく見られます。
廃棄物はこのような流れをたどります。場合によっては第三、第四と続く場合もありますね。
複数の収集運搬会社との契約になるので、「収集運搬契約は一冊にまとめてもよいか?」という疑問が浮かびます。
廃棄物担当ご自身だけでなく、「法務から言われた」というパターンもありますね。
「法律上、三者契約は禁止されている」と法務に言われてしまったら…なんとなく納得してしまいそうですね。
「三社契約」の原点をチェック!
しかし、積替保管の収集運搬では、複数の区間を一冊にまとめることは問題ありません。
廃掃法第十二条5項では、
とありますが、
運搬については~
処分については~
とした上で「それぞれ」と表現されているんです。
この「それぞれ」は、運搬契約と処分契約の2種類の契約形態であると解釈できます。
つまり、運搬契約と処分契約を混同した複数社契約を禁じているのです。
過去、複数の自治体に聞き取り調査をしたところ、いずれも上記の見解が返ってきました。
「三社契約NG!」という言葉だけを聞くと、積替保管の契約も個別に契約書を締結して…と考えてしまうかもしれませんが、
細かくチェックすると、三社契約が複数の運搬会社との契約を指しているものではないと分かりますね。
Takeshi Sato 環境情報ソリューショングループ マネージャー
セミナーインストラクターとして、数々のセミナーを担当。オンラインセミナーの実施やeラーニングシステムを使った動画コンテンツの制作にも注力する。コンテンツの企画から講師までを一貫して手掛け、通年80回以上の講師実績を持つ。 また、イーバリューの法令判断担当として、クライアントの法解釈に関する質問や相談に対応。対応件数は年間約1,000件に上る。法令知識だけでなく、省庁や管轄自治体等の行政への聞き取り調査も日常的に行っており、効果的な行政対応のノウハウを持つ。