【労働安全】現場でよくある事故事例④~高所作業編~

【労働安全】現場でよくある事故事例⑤<br/>~電動工具編~

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【労働安全】現場でよくある事故事例⑤
~電動工具編~

現場でよくある事故事例、今回は電動工具にまつわる事例を2件ご紹介します。まずは、2件続けて事故内容を見ていきましょう。

事例1:携帯用丸のこ盤が反発して当たる

事故状況

角材を切断しようとしたところ、電動丸のこ盤が反発してしまった事故です。
手持ちで作業をしていたため不安定であったことに加え、安全カバーが変形していたため正常に作動していませんでした。

事例2:手持ちディスクグラインダの漏電

事故状況

ディスクグラインダを本来用途ではない鉄筋の切断に使用したため、漏電により感電してしまった事故です。
本来用途と異なる使い方をしたために、過負荷によって熱が生じたことで絶縁不良を起こしたこと、感電防止用の漏電しゃ断装置が使用されていなかったことなどが原因とされています。

電動工具の安全対策ポイント

まず大前提として、適切な保護具の着用が必要です。保護帽、保護メガネ、手袋などの保護具を正しく着用します。
ただし、手袋は巻き込みの危険があるので回転工具には使用してはいけません。

次に、安全点検です。刃の破損や、ネジの緩みなどがないかを必ず使用前に確認します。安全カバーなどについてもしっかりと固定され、本来の機能を発揮できるかどうかをチェックします。事例1では、安全カバーが作動しなかったことが、死亡事故に発展してしまった一因と言えます。さらに、アースや漏電しゃ断装置などを適切に使用し、漏電対策を行います。
事例2では過度な負荷がかかったために漏電しましたが、電子回路の故障など、目に見えない原因で漏電を起こす可能性もありますので、適切に対策を施します。実際の作業は安定した場所で行います。原則として手持ち作業は行わず、作業台などに固定します。作業中に異常音などの違和感があれば、すぐに作業を止めることも重要です。

最後に、意外とありがちなのが電動工具を持ったまま移動したり、他の作業や会話をしたりしているタイミングでの誤作動です。作業時以外は主電源を切るように、徹底します。

電動工具は手持ち式のものも多く、手軽に使用することができますが、作動時には強力な力が働きますので、安全対策は厳重に行いましょう。

出展:厚生労働省HP「職場のあんぜんサイト」(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_FND.aspx)

Takeshi Sato 環境情報ソリューショングループ マネージャー

セミナーインストラクターとして、数々のセミナーを担当。オンラインセミナーの実施やeラーニングシステムを使った動画コンテンツの制作にも注力する。コンテンツの企画から講師までを一貫して手掛け、通年80回以上の講師実績を持つ。 また、イーバリューの法令判断担当として、クライアントの法解釈に関する質問や相談に対応。対応件数は年間約1,000件に上る。法令知識だけでなく、省庁や管轄自治体等の行政への聞き取り調査も日常的に行っており、効果的な行政対応のノウハウを持つ。