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【労働安全】現場でよくある事故事例④
~高所作業編~
現場でよくある事故事例、今回は高所作業にまつわる事例を2件ご紹介します。まずは、2件続けて事故内容を見ていきましょう。
事例1:13mの高さから足を滑らせ墜落
事故状況
13mの高さから足を滑らせて、墜落したという事故です。現場には足場が組んでありましたが、足場と作業場所の間の開口部(115cm)の箇所では鉄骨や根がらみに乗って作業をしていました。
墜落の原因として、安全帯の使用など墜落防止措置を講じないまま、本来足を乗せる箇所ではないところに足を乗せて作業を行ったことが指摘されています。
事例2:高所作業車が転倒し、地面に激突
事故状況
高所作業車が倒れてしまったという事故です。原因は、凹凸があり、かつ傾斜もある場所に高所作業車を設置したことが直接原因とされています。
通常、不安定な場所では鉄板等を敷く必要がありますが、こうした対策もされていなかったようです。また、間接原因として作業者の資格を確認せず、無資格者に作業をさせたことなども挙げられています。
高所作業の対策ポイント
高所での作業は大原則としてヘルメットの着用や、フルハーネス型の墜落防止装置の着用などが必要です。このあたりは、「現場でよくある事故事例③」でも解説しました。
事例1では、墜落防止装置が使用されていませんでした。足場を組んでいたので大丈夫だと思ったのかもしれません。しかし、足場と作業箇所の隙間が大きい場所などでは危険があるため、高所での作業は対策が必要です。そもそも、足場を踏み外して墜落してしまうケースもあります。
事例2では、高所作業車そのものが転倒しています。足場の凹凸や傾斜の対策をしなければ、高くブームを伸ばす高所作業車は転倒のリスクが高まります。これは高所作業車だけではなく、ユニック車やクラム車などクレーン状の機械を搭載している車両なども同様のリスクがあります。
自社作業でない場合でも、気を付ける必要はあります。例えば、廃棄物置場から回収してもらう場合などに、作業場の凹凸や傾斜があると、構内で業者さんが事故を起こしてしまうリスクにつながります。
作業の仕方だけではなく、作業場所の状態などにも気を配り、KY活動などを通じて事故リスクを低減していきましょう。
出展:厚生労働省HP「職場のあんぜんサイト」(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_FND.aspx)
Takeshi Sato 環境情報ソリューショングループ マネージャー
セミナーインストラクターとして、数々のセミナーを担当。オンラインセミナーの実施やeラーニングシステムを使った動画コンテンツの制作にも注力する。コンテンツの企画から講師までを一貫して手掛け、通年80回以上の講師実績を持つ。 また、イーバリューの法令判断担当として、クライアントの法解釈に関する質問や相談に対応。対応件数は年間約1,000件に上る。法令知識だけでなく、省庁や管轄自治体等の行政への聞き取り調査も日常的に行っており、効果的な行政対応のノウハウを持つ。
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