委託契約書作成のケーススタディ:この書き方で合ってる?
産業廃棄物の処理を適切に委託するためには、法的要件を満たした契約書の作成が必要不...
コラム
「この会社は付き合いが長く、信頼している」廃棄物管理担当者の皆さんから、時々こんな言葉をお聞きします。信頼は、これまで実績を積み重ねた結果で、とても価値があるものです。
しかし、処理会社は業許可制度の特性上、思わぬ理由で許可取り消しとなってしまう可能性があります。「しっかり処理してくれている」と思っていたら寝耳に水となるケースです。
この許可が取り消しになる『欠格要件』について、整理しておきましょう。
役員が罪を犯し禁錮刑以上に科せられると、その役員が属する法人の廃棄物処理法上の許可が必ず取り消されます。廃棄物処理法での欠格要件は、大きく分けて 2種類あります。
禁錮刑以上で欠格になるものと、罰金刑以上で欠格になるもの。
法人自体に禁錮や懲役刑は科せられません。
言い換えれば個人に対してのみ適応される欠格要件と、法人に対する欠格要件があるのです。
禁錮・懲役は必然的に、個人に対してしか適用されません。法人を投獄、というのは物理的に不可能です。
ということは、禁錮刑以上で欠格になる法律は、自然と個人を対象としています。
一方、罰金刑は法人に対しても科すことができます。
そのため、罰金刑で欠格になるよう法律で規定されている場合は、法人の違反を想定しているといえます(一部、刑法の傷害罪など、個人の罪ですが、より厳しく欠格要件が定められている規定もあります)。
罰金刑以上になると欠格になる主な法律は次の通り定められています。
環境に関する重要法がずらりと並んでいますね。
✓ 環境関連の法律に関しては、法人が罰せられると欠格
✓ その他の法律に関しては、役員個人が禁錮刑以上で罰せられると欠格
ざっくりと、このように把握しておくとシンプルでわかりやすいと思います。
個人を想定している禁錮刑以上の欠格要件は、特に法律を限定していません。
どんな罪でも、役員が禁錮刑以上になれば会社の許可が取り消しになります。
過去には道路交通法違反で禁錮刑になったために、許可取り消しになった事例もあります。
極端な例では、酔っ払って暴力を振るえば、暴行罪で許可取り消しです。
さらに、ここまで「役員」と説明してきましたが、正確には「役員等」と記載され、下記の定義があります。
役員等の範囲に、相談役、顧問等の名称に関わらず法人に対し実質的に支配力を有していると認められる者が含まれる。
広い範囲で、会社の経営判断に関わる人が対象です。
イメージしていたよりも、対象が広いかもしれませんね。
個人の、運転マナーや酒癖までが、行き過ぎると会社の許可取り消しに結びつく可能性があります。
こう考えると、許可取り消しの兆候を100%見抜くことは不可能ですね。
極端な例であることは承知していますが、上記の例に限らず、予想外の許可取り消しや事業停止処分によって委託ができずに混乱するケースを今まで何件も見てきました。
対策としては、万が一のリスクを踏まえ、委託先を複数社用意しておくなど、委託ができなくなった時の対策を準備しておくことが大事です。
セミナーインストラクターとして、数々のセミナーを担当。オンラインセミナーの実施やeラーニングシステムを使った動画コンテンツの制作にも注力する。コンテンツの企画から講師までを一貫して手掛け、通年80回以上の講師実績を持つ。また、イーバリューの法令判断担当として、クライアントの法解釈に関する質問や相談に対応。対応件数は年間約1,000件に上る。法令知識だけでなく、省庁や管轄自治体等の行政への聞き取り調査も日常的に行っており、効果的な行政対応のノウハウを持つ。
その他のコラム
産業廃棄物の処理を適切に委託するためには、法的要件を満たした契約書の作成が必要不...
突然ですが、下記のケースが起きた時、皆さんは明確に答えられますか?? 社内監査を...
前編は、段階的に施行される労働安全衛生法の改正内容に関して、2023年4月1日施...
労働安全衛生法の改正が話題にのぼることが増えています。2022年5月31日に交付...